パイロットの無線交信とは、航空管制官に経路や高度などの飛行に関する承認を得るための音声での無線通信が、主に使用されています。
使用する無線の種類は、VHF通信とHF通信、それと音声以外での無線通信としてのデータ通信の無線があります。
民間航空機ではVHF(117.975~137MHz)、軍用機にはUHF(222~253.8/275~322MHz)の周波数帯が使用されています。
パイロットは、空港の駐機場から出発する時から、到着地の駐機場に止まるまで、各担当空域の管制官と無線交信を行います。
パイロットと管制官は、一対一のやり取りをしますが、管制官の方は、複数のパイロットと同時に無線通信をしています。
無線交信に使用される無線の種類の違いは?
無線交信に使用される無線の種類の違いは、電波の伝達特性の違いから、使い分けられています。
上述のように、無線交信に使用されているVHFとHFの周波帯には、それぞれ次のような特性があります。
VHFの電波は、到達距離がHFの電波に比べて短いのですが、通信状態はクリアです。
到達距離は最大でも約350km程度で、国内線の無線交信には、このVHFが利用されています。
HFの電波は、VHFの電波とは対照的に到達距離は遠くまで届くものの、無線交信の音声状態は、良好とはいえません。
短波ラジオで使用される周波帯と同じなので、国際線のような洋上飛行の際に利用されています。
これらの無線は、音声による管制官との無線交信の際に利用されていますが、機体同士や管制塔とのデータのやり取りのための無線交信もあります。
パイロットの無線交信の内容は?
パイロットの無線交信の内容は、フライトの出発から到着するまでの各段階において、許可を求めたり、承認を受けるなどの内容のやりとりをしています。
駐機場から離れて滑走路に向かう際には、その旨を地上管制官に承認を受け、滑走路から離陸した後は、空域管制塔との無線交信において、飛行高度や針路の指示を仰いだりします。
無線交信は、飛行の各段階と場所によって、使用周波数を変えながら、管制官と行います。
航空機同士でも、同じ航路を飛行している前方の機体のパイロットが飛行によって得た気象情報や気流の変化について、データ通信でのやりとりもしています。
パイロットの無線交信の重要性
パイロットの無線交信の重要性は、各航空機同士の運航を管制することで安全に飛行することができ、パイロットが直前に体験した情報を後続機に伝えることで、情報の共有化によって安全性が高くなります。
無線交信をやる事で、航空機の飛行に有益で、安全性の向上につながっています。
日常生活でも、空の世界でも、コミュニケーションが重要という事です。