パイロットに必要な無線と免許について

パイロットにとって無線は、自分の飛行状態を地上と大空を飛行する他の航空機に伝える重要な装備であり、その使用には、免許が必要です。

パイロットが出発して到着するまでの、飛行の各段階において、航空交通を管理する管制官やレーダー管制に、音声やデータでの無線による通信を行うことで、航空交通の安全につながります。

パイロットに必要とされる無線の免許には、航空特殊無線技士と航空無線通信士の二種類の免許があり、いずれの免許も国家試験に合格するか、指定された講習の受講によって取得が可能です。

航空特殊無線技士が航空無線通信士の下位資格とされ、自家用パイロットは、航空特殊無線技士の免許のみで飛行が可能です。

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パイロットの使用する無線は?

パイロットの使用する無線は、VHFとHFと呼ばれる周波帯を利用した音声による無線交信を行います。

VHFの周波帯の方が、電波の到達距離は短いものの、通信音声がクリアに聞こえるために、国内や近距離飛行時に使用されます。

一方のHFの周波帯の無線は、電波が遠くまで到達する特性を利用し、洋上航行などの国際線などで使用されています。

これらに加えて、航空機の位置情報などのデータ通信に利用されるトランスポンダーと呼ばれる無線機が航空機に搭載されています。

このトランスポンダーは、レーダー管制による航空機の航空交通の安全のために、必要に応じて機体の位置情報の収集や、緊急時の通信に利用されています。

小型機などに搭載された無線には、通常時は使用されず、機体に通常では加わらない力がはたらいた時に作動するELTと呼ばれる機器もあります。

これは、墜落などの非常時に、機体位置を送信することを目的とした非常時の無線機の一つです。

パイロットが必要な無線の免許は?

パイロットが必要な無線の免許は、上述のように、二つのものがあります。

自家用パイロットには、航空特殊無線技士の免許が必要で、海外でのパイロット免許取得者の場合、国内での飛行をしようとする場合、必ず講習か国家試験の受験が必要です。

事業用パイロット以上の免許保有者は、この航空特殊無線技士に加えて、航空無線通信士の免許も必要です。

日本国内では、電波法の規定により、航空機内から電波を発信する無線機の使用には、免許取得を義務付けられているためです。

無線免許の所有は、航空業界においては、パイロット以外の整備士などの航空従事者にも必要な免許です。

無線の免許の試験には、受験者の資格保有状況によって、科目免除等の措置がありますので、受験の際には確認が必要です。

パイロットの飛行に不可欠な無線

パイロットの操縦する航空機は、対地速度200キロ以上の速度を有しており、目視による周囲の交通状況の把握は限界があります。

安全な航空交通を支えているのが、航空管制業務であり、各航空機のパイロットとの無線の通信などで、刻々と変わる状況の把握と指示が可能です。

電波法の規定により、パイロットにも必要資格の規定があり、海外での免許取得の際には必要とされなかった無線の免許を取得する必要があります。

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