ヘリのパイロットの不足している現状と課題

エアラインのパイロットが不足しているのと同様に、ヘリのパイロットの不足も深刻です。

LCCと呼ばれる格安航空会社の台頭や、国内の航空会社のパイロットの年齢構成の中心が40代ということも、将来へのパイロット不足の深刻化を感じさせます。

エアラインのパイロットは、それぞれの養成機関や航空会社の自社養成によって育成されているにも関わらず、不足の問題が懸念されています。

ヘリのパイロットが今後不足する予測には、さまざまな要因が考えられ、解決するには課題が多いと考えられます。

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ヘリのパイロット全体の現状と今後の問題点

ヘリのパイロットの年齢構成を考えてみると、厚生労働省が開示している資料等から、40代と50代前半に年齢構成の中心が偏っていて、今後のことを考えると若手のパイロット不足が懸念されます。

ヘリのパイロットの訓練を受けるための学費が高額であり、民間の養成機関に訓練生が増加していない状況も生み出されていて、ヘリのパイロットの増加につながっていない現状にあります。

しかも、ドクターヘリや消防ヘリ、防災ヘリといった公的用件をこなすパイロットには、一定の飛行経験や必要な技量が求められるため、若手のパイロットの育成が進まなければ、確実に不足します。

ヘリのパイロットの場合、自費で訓練を受けて免許を取得して、使用事業会社や警察や消防といった組織への就職をします。

この自費での訓練費用が高額になることから、訓練生の金銭的な負担が、最大の問題点となっています。

ヘリのパイロットの養成の今後の課題

ヘリのパイロットの不足については、ドクターヘリや消防ヘリ、防災ヘリの必要性から、厚生労働省が、検討会を実施して対策を検討しています。

その中には、現在のヘリのパイロットを対象にして、訓練プログラムの開発や、飛行時間2000時間といった現在の乗務要件の見直し、キャリアパス、高額の訓練費の軽減をはかるためのシミュレータの活用、自衛隊退官者の活用といったことが挙げられています。

若手のパイロットに対しては、奨学金の拡充の検討、ヘリのパイロット志望者への養成機関の情報提供、既存の民間養成機関の活用といったことが、検討課題として挙げられています。

検討会を通して、ヘリのパイロットの不足の現状認識を深め、改善策を打ち出そうとしています。

しかしながら、現実には、パイロットの育成には時間とカネがかかることですので、一朝一夕にいかないのが現実です。

ヘリのパイロットの今後の不足は、深刻になる?

エアラインのパイロットの不足は、ニュースにも取り上げられ、航空界に興味を持つ人には知られていることかもしれませんが、その陰に隠れたヘリのパイロットの不足も懸念材料となっています。

ヘリのパイロットになるためには、自費で操縦養成の訓練を受けることが大半を占めており、その高額な訓練費が若手パイロットの増加につながらない大きな原因となっています。

今後、ドクターヘリ、消防、防災ヘリといったベテランのパイロットの引退を迎える頃に、現在若手と呼ばれるパイロットが育成されていないと重要な任務を果たすヘリの運行に支障をきたす可能性も考えられます。

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